悩みの日の祈り

 

——ある日突然、娘が学校でいじめられていることを知りました。私も娘もただ主に祈ることしかできませんでしたが、主は不思議な解決の道をそなえてくださいました。

娘は中学校に入学し、新しいお友達に出会うことを楽しみに学校に行っていました。
ある日、近所の人から、「お嬢さん、最近なんだか元気がないみたいね」と言われて、明るくて元気だった娘の様子がおかしいことに気がつきました。
その頃、私が主人を理解することができなくて、私たち夫婦には言い争いが絶えませんでした。主人との関係がうまくいかないので、子供のことも怒ってばかりいました。娘が元気がないのは、私がイライラして、主人のことや子供のことを怒ってばかりいるからだと思っていました。

そんなときに、娘のブラウスを洗濯しようとしたら、ポケットの中から手紙が出てきました。手紙には、学校に行くよりも、家で勉強したいというようなことが書いてありました。私は、娘が学校に行くよりも家にいたいと思っていることを初めて知り、びっくりしました。
娘は私が手紙を見たことを知り、怒りました。私は、娘に黙って手紙を見たことを謝りました。そして、友達のことを話してほしいと言いましたが、友達のことは言いたくないようでした。
私はどうしたらよいのかわからなくなり、神さまに祈り、もう一度娘と話をし、いろいろなことを聞いてみました。すると娘は、心を開いて話をしてくれました。
ある日突然、理由もわからないのに、友達から無視されるようになり、そのことによって、部活の同級生全員とクラスの人からも無視されていることがわかったのです。
友達から無視されて、娘がとてもさみしく、つらい中にいることがよくわかりました。私は、子供を怒ってばかりいて、母親としてよく話を聞いてあげることがなかったので、申しわけなく思い、とても心が痛みました。
娘は、朝食を食べずに、神さまに、長い時間お祈りをしてから学校に行きました。
何日も祈り続けましたが、状況は変わりませんでした。娘が主に祈っている姿を見て、私も主に祈りました。私がいまできることを教えてくださいと、涙を流し祈り続けました。
そうしたら、いままで気がつかなかったことを知ることができました。そして、娘に話をしました。「お父さんとお母さんはあなたを命がけで守るからね」と本当の気持ちを伝えました。それから娘は少しずつ元気になってきました。

そして神さまは、不思議なことをなしてくださいました。
娘は、どんなことがあっても部活は休まずに行くようにしていました。そんな娘の姿を見て、先輩が「Kさんはえら いよ」と励まし、「私たちはKさんの味方だからね」と言い、それから、部員の前で、「いつまでもけんかをしている人は、やめてもらいます」と言ってくれた そうです。先輩の一言で、部活の友人たちはお互いに悪かったところを謝り、仲直りすることができました。その日は、娘が笑顔で帰ってきて、うれしそうに話 をしていました。私もうれしくて主に感謝しました。

そのことがあってから、娘は、どんなことでも神さまにお祈りをしています。いまでも朝は朝食よりも祈りを第一としています。祈っているときは部屋に入れてもらえませんが、祈り終わって部屋から出てくるときには、笑顔で、とても平安な顔をしています。
娘に教えられることがあります。この前も、「お母さん、人に悩みを話す前に、まず神さまにお祈りしてから話をするといいんだよ。人間が手で造った神さまでなく、神さまは生きておられるんだよ」と話をしてくれました。
娘は祈りが聞かれた体験を通して、神さまはいまも生きておられることを信じています。
そして、いまでは、無視したお友達とは、親友となり、楽しく過ごさせていただき、学校も楽しく行っています。本当に主に感謝しています。

娘のことを通して、私たち夫婦も、神さまに祈ることがどんなにすばらしいことなのか、この目で見させていただきました。
「あなたがたの会った試練はみな人の知らないようなものではありません。神は真実な方ですから、あなたがたを耐えることのできないような試練に 会わせるようなことはなさいません。むしろ、耐えることのできるように、試練とともに、脱出の道も備えてくださいます」(Iコリント10章13節)

この御言葉は真実であることを体験させていただきました。
家族一人ひとりが神さまとの祈りの時間を第一に持つことができるようになりました。そのことによって、家族で楽しく会話をしたり、何でも話し合えるように変えられています。
神さまがすべてのことを益として変えてくださることを、感謝しています。私は、娘のことを毎日主に祈り続けています。

(月刊「雲の間にある虹」1997年1月号(発行:雲の間にある虹出版)より転載)